横浜市の繁殖センターでは、マレーバクとブラジルバクの繁殖に取り組んでいます。全国の動物園から集められたバクたちが、シャワー、運動場、プール付き、冬にはヒーターが入り、猫の肉球のように柔らかな手足をを痛めないように、床にはゴムマットを敷くなど、細やかに配慮された個室で暮らしています。
 水浴びが好きで、プールの中でフンをすることもよくあるそうです。気持ちが良いのでしょうか。シャワーの好き嫌いには個体差があって、水が出始めると、喜んでとんで来る子もいれば、部屋の隅に避難する子もいました。また、ブラッシングしてもらうのが好きで、係の方がブラシをあてると、ごろんと横倒しになって、うっとりした表情で気持ち良さそうにしていました。
 草食で、動物園では、木の葉、干し草、リンゴ、キャベツ、食パンなどを与えています。干し草は1日に7キロも食べるそうですが、暑い時期には、ボソボソした干し草よりも生の葉っぱの方を好むということです。
 バクの皮膚はとってもデリケートで、夏の日射しにさらされると日焼けして、火ぶくれになってしまうのだそうです。とくに、黒い部分の日焼けがひどくなるそうです。また、冬場の乾燥にも弱く、手のひらがひび割れてしまうそうです。日焼け止めは、バク用のものなどないので、人間用のものを使いますが、手足のひび割れ予防には、人間のハンドクリームよりもっと油分のある、蹄油というものを使うそうです。夏も冬もお手入れが欠かせないとのことでした。
「パパ、あれなーに?」と指さすお子さんに、
「あれはね、オーワダさん。」と、おやじギャグでごまかしている全国のおとうさん(一人か二人、必ずお見かけしますが)、たまには説明書きを読んでさし上げてください。
(2001年9月9日up)
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